無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
今日だって。
「利奈~、あいつらシメといたよ」
昼休みに歯みがき場で顔を合わせた瞬間、ギャル子ちゃんたちは語尾にハートマークを付けながらそんなことを言うんだもん。
鈴ちゃんも「ああいうヤツらって、1人だと笑えるくらい弱っちいの~」って、ニコニコしてた。
……なにを隠そう、鈴ちゃんは元ギャルで、元ヤンなのだ。
たまに垣間見えるブラック部分。
鈴ちゃんは隠したがってるけど、私は嫌いじゃない。
心強すぎる味方がいてくれて心底よかったと思う。
……そう。
平和ではないけど、順調だったんだ。
──────ここまでは。