無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
西野遥日は彼女専用
.
.
「そっか~。今日、陸人くんに言うんだね」
「うん」
テスト最終日。
最終科目が終わって、誰もいなくなった教室で、私は鈴ちゃんと話していた。
「じゃあ、今から陸人くんと一緒に帰る流れ?」
「ううん。陸人は今日から部活でね。しかも他校と練習試合らしくて、遅くなるから先に帰っとけって言われた」
「えっ。じゃあ、返事するのはそのあと?」
「うん。家に帰ったら連絡するって。そのあと、どっちかの部屋に行って……って感じかな」
陸人への返事はもう決めてある。
何回も何回も悩んだ。
テストどころじゃないってくらい……。
「陸人くんなら、絶対幸せにしてくれるよ」
「……うん」
今はまだ、西野を忘れられないことをちゃんと伝えて。
それでもいいって言ってくれるなら、陸人と付き合う。
告白された日から、少なからず男として意識し始めているわけで。
一緒に帰ったりすると、今までとは違う雰囲気にドキドキさせられることがある。
陸人と付き合ったら、恋にになる予感がしたんだ。
今は違和感ばっかりだけど、少しずつ──────。