無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「まあ、よかったんじゃない? 嫌がらせもなくなったことだし~、ね?」
「うん」
「ってことで、利奈お誕生日おめでとう~!」
「わっ」
ぎゅっと抱きつかれて、思わず笑顔がこぼれた。
「これ、プレゼント~! 帰ったら開けてみてね!お手紙つき~」
差し出されたのは、デパートで見たことあるコスメブランドの紙袋。
「ひい、これ高いやつ……!」
「利奈への大好きがあふれちゃったんだ~。使ってね?」
「うん、ありがとう!」
私もぎゅーっと抱きしめ返す。
幸せ。
西野のことでつらいこともあったけど、鈴ちゃんがこうやって居てくれるから、それでいい。
心からそう思えた。