無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
「……なんで来たの」
「……うう、」
「……」
「……」
「とりあえず、こっち来な?」
西野がぐいっと手を引っ張った。
連れて行かれる。
この前と同じ部屋。
扉をしめたら、二人きり。
「なんで泣いてんの?」
「……にしの、雛子ちゃんと付き合ってないの?」
「……」
「なんで、プレゼントくれたのっ?
あと、嫌がらせなくなったのも、西野が助けてくれたの……? シャープペンも……うぅ、っ」
「落ち着いて。文脈おかしいし、まとまりなさすぎ」
トントン、と優しく背中を撫でられる。
「優しくしないで……」
女たらし。
慣れてる。
思わせぶり。
「こーいうの、みんなに、してるんでしょ」
「してないよ」
「嘘だ、」
「ほんと。……俺が優しいのは利奈にだけ」