無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


都合よすぎだよ。




「好きな子がいるくせに?」

「……は?」

「その子のこと本気だから、遊ぶのやめたって……、連絡先も全部消したし、髪黒くしたのも……その子のためだって聞いた」

「……」



もうやだ、止まんない。

涙と一緒にドバドバ出てくる。




「西野、ひどいよ……きらい、もうやだ」


「はあ? さっきから何。……嫌いならこんなことこないで一生無視してろよ」


「うう~っ、違うもん……好きすぎてきらいなの……」


「……は?」


「どれだけ私が西野のこと好きでも、振り向いてくれないから……っ」



頭のブレーキどこだろう。

結局、隠しとおすことができなかった。



「陸人と付き合ってないのに、信じてくれないから悲しかった……雛子ちゃんとキスしてて悲しかった……っ」


「利奈、」


「早く諦めさせてよ、思わせぶりなことしないで、私のことちゃんと振ってよ……、うぅ」





< 325 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop