無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
──────ああ、だめ。
心臓壊れちゃう。
今度こそ、夢の中なのかもしれない。
お酒飲んだおぼえもないし、
やっぱり夢の中なのかもしれない。
「嘘だ……」
夢じゃないの?
夢じゃないなら、早く「嘘じゃないよ」って言ってよ。
「西野……ほんと?」
「……」
「ねえ……」
「嘘じゃない?夢じゃない?」
西野があんまり何も言わないから、不安になって、存在を確かめるようにぎゅっと抱きしめてみた。
「ねえ西野、──────ひゃっ」
ふいに力を込めてきた西野。
勢い余って、私の背中はソファの背もたれに激突する。
姿勢を直す暇もなく、
「……ん、っ」
噛みつくみたいなキス。