無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



熱い、ちゃんと西野の体温を感じる、心臓もおかしいくらい鳴ってる。


夢じゃない。


でも西野がすぐ唇を離すから、また不安になる。




「もう1回して……?」

「え?」


「キス……夢じゃないってわかるまでしてくれないと、困る……」

「っ、だから……そのねだり方……」



ちょっと視線をそらしながら、今度はゆっくり甘噛み。



「……これでわかった?」

「……うん」


やっぱり、現実だ。


また涙がぶわって出てきた。


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