無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
内心あせりながら、横目で状況を見守る。
学校で1番と言っていくらいの可愛い子が話しかけてるのに、無表情での受け答え。
「もう~。遥日ってほんと面倒くさがりだよね。じゃあ、どこならいいの?」
雛子ちゃんも西野のこの対応に慣れてるのか、少し呆れ顔をする程度で、傷ついてる様子はない。
「近いとこ」
「……遥日の家?」
「無理」
「え~?他にどこがあるの」
「学校でいいじゃん」
そっけなくそう言って、ガタッと立ち上がった西野。
やや乱暴に、雛子ちゃんの肩をつかむ。
全然笑ってないし、いやいや感がいなめない。
なんか怖いんだけど。
この塩対応っぷりはなんなの?
雛子ちゃんはこれでいいの?
気づかないうちに2人をガン見してしまっていた。
私の視線に気づいたのか、西野がこちらを振り返る。
「そうだ、利奈」
ドキッとした。
だって、雛子ちゃんには不機嫌そうな顔向けてたくせに、私と目が合ったとたん、ニコッて笑うんだもん。