無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



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「え~?西野くんが超絶口悪いのは元からだよ?基本塩対応だし、女の子を名前で呼ぶことは滅多になくて、いつも‟お前”とか~‟あんた”とか」



帰り道。
鈴ちゃんの話を聞きながら絶句した。



「でもそれが売りっていうか……腹黒なの隠してないから、あとでガッカリすることもないじゃん~?冷たいけど約束は守るし、要望にはちゃんと応えてくれるって話だよ~」


口をぽかんと開けてしまっていることに気づいて、慌てて閉じる。



「なにより、おかしいくらいキスが上手いって話~!ウチも、1回くらい遊ばれてみたいな~なんて」



うっとりした顔でそんなことを言う鈴ちゃんに

「鈴ちゃん彼氏いるでしょ」

って突っ込むので、ひとまず精一杯。



鈴ちゃんの彼氏は、他校の1個上の先輩。
鈴ちゃんはイケメン大好きだけど、ほんとは彼氏に首ったけで、誰よりも一途なんだよね。


……いや、そんなことよりも。

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