無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


微妙にずらしてたはずの視線は、いつのまにか西野くんに捕まえられていた。


……色素うすい。

やる気なさそうな顔してるくせに、瞳はキラキラ透き通ってて、すごい綺麗。




「俺がなにしようが自由だよね」

「え?う、うん」

「だったら、余計な口出ししなくていいじゃん」



カンケーないんだから、と付け加えた西野くん。

なぜか、その綺麗な顔が近づいてくる。



顔に気を取られていたから、西野くんの手が私の胸元のリボンに伸びていたことに気づくのが遅れてしまった。



「っ、え、ちょっ、西野くん、」

「シー。大きい声出さないで。見つかったら困る」


いやいやいや。
いきなりこれは高難易度クエストすぎるから!



「俺がとっかえひっかえ、しなきゃいいんでしょ?菊本が毎日相手してくれるなら、遊ぶのやめるけど」



甘い匂いが頭をクラクラさせる。


たしかに顔は極上で、毎日目で追ってたし、お近づきになれるなんて願ったり叶ったりな状況ではあるけど。

遊ばれるのだけは、やっぱりイヤ……!

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