無気力オオカミくんは、私だけに夢中。

なんとなく予想はついてたけど、“二人で仲良くお弁当”ってわけじゃなさそうだ。


しっかりとは見てないけど、距離が近すぎたことは確か。
とても私が介入できる状況じゃない。どう考えたって邪魔者だし。


先生には悪いけど、引き下がらせてもらいます……。



回れ右をしようとして、やめた。

西野が何してるのか気になる。

見たい、見たくない。

こういうのって結局らいつも興味のほうが勝ってしまうもの。



一瞬だけ……と決めて顔をあげる。

──────そしたら。


目が合ってしまった。

西野じゃなくて、女の子と。



西野は私に背中を向けたまま机の上に座ってて。
女の子は西野にもたれかかるように体を預けてて、西野の肩の上から顔をのぞかせてた。


目をまん丸くして私を見てる。

そりゃそうだ。

ひと気のない空き教室で二人きりの時間をすごしてたのに、顔を上げたら覗いてる人がいるなんて……軽くホラーじゃん。

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