無気力オオカミくんは、私だけに夢中。


西野、これから雛子ちゃんと過ごすのかな。


考えれば考えるほど気分は沈んでいく。

今日の昼休みに私にしたみたいなことを雛子ちゃんにもするのかと思ったら……。



「やだな……」



鈴ちゃんに聞こえないくらいの声で呟いた。

これだけ分かりやすく落ち込んでるんだから、自分を誤魔化すことはできない。



素直にいやだ。
うん、いやだ……。


私、西野のこと好きなの?


だったらアホすぎる。
チョロすぎる。



でも、西野に迫られて心拍数あがらない人っているの?



カッコイイ=好きな人だった小学生の時代を思い出す。
ろくに恋愛を経験してない私は、違いがいまだにわからない。



よく聞く恋愛の定義。

気づけばその人のことを考えてる、目で追ってる。

キスなんかされたらそのことしか考えられないし、西野のことは、話す前から目で追ってた。



当てはまるんだけど、どうしよう?



隣で鈴ちゃんがなんか言ってるけど、右から左へ抜けていく。



「鈴」


と呼びかけた男子の声で我に返った。

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