無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
ほんっっと、噂通り
性格最悪じゃん!
なのにドキドキして悔しい。
どうしようもないクズ男だってわかってるのに、ちょっとくらいなら遊ばれてもいいかも、って思っちゃうのが悔しい。
西野くんに解かれそうになった制服のリボンを、ぎゅっと握る。
突き飛ばして正解だった。
うん、大正解。
私は絶対正しい……。
言い聞かせる。
もう関わることはないだろうし、これからは今まで通り、顔だけ拝ませてもらおう。
その強い意志が、まさか、数時間後にあっけなく崩さることになるなんて、その時は思いもしなかった──────。