無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
風邪ひきなオオカミ
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月曜日。
「……おっす」
朝家を出たら、陸人が立ってた。
「陸人、今日は朝練ないの?」
「ああ」
「珍しいね。じゃあ一緒に行く?」
「ん。そのつもりで待ってた」
こういうことは時々ある。
朝練がないとき、かつ、陸人の気が向いたとき。
「おっ。ふたり相変わらず仲いいねぇ」
「まだ付き合ってないの~?」
駅へ向かっていたら、中学が一緒だった子たちが声をかけてくる。
「うるせえ~散れ!」
冗談っぽく怒ってみせる陸人に、同級生たちはキャハハと笑いながら去っていった。
いつもの光景。
私たちはそれを何度かくり返しながら電車に乗りこむ。
陸人が扉付近に空いた席をすばやく見つけて、私を座らせてくれた。
いい男に成長したなあと、つり革を持つ幼なじみの足元を見つめながら、しみじみ思う。