無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
置いてかれた私。
鈴ちゃんがいなくなっちゃったら、することない。
「あれっ、利奈じゃーん。鈴は?」
「1人ならウチらと遊ぶ~?」
鈴ちゃんと仲よしなギャル子ちゃん3人組が、通りすがりに声をかけてくれた。
「鈴ちゃんは彼氏と電話だよー。ありがとう、大丈夫!」
時々いっしょにファミレスに行ったりするくらいは私も仲がいいけど、1人のときだけ交ぜてもらうのも申し訳ないから手を振って終わりにする。
さて。これからどうしよう。
教室に戻って課題でもする?
図書館に行って雑誌でも読む?
それか、ひたすらスマホをいじり倒すか……。
頭ではそう考えてるのに、私の足。
勝手に保健室のほうに向かってるのは、なんで?
いやっ、いやいやいや。
会いに行くメリットなさすぎる。
西野、この前からなんか怒ってるし、今日は目も合わせないし。