無気力オオカミくんは、私だけに夢中。
今の私、ヘビに睨まれたカエル。
また反射的に謝ってしまった。
もはや何を言われても「ごめんなさい」しか口から出てこない。
そして
「いやまさか。貧相すぎて相手にならない」
西野の一撃。
効果は抜群だ……。
「だよねぇ。どう見てもハルカ君のタイプじゃないもん」
さらなる攻撃をくらって、私は早くも精神ズタボロ。
「うん、ほんとタイプじゃない。生意気だし」
ギシ、とスプリングの軋む音がした。
西野がベッドに手をついて、床に降りる。
ゆっくり私のほうに近づいてくるから思わず退いて、でも西野が腕をつかむから、それ以上は下がれなくなった。
「いつも邪魔するタイミングで現れるし」
触れた手から、あついのが伝わった。
熱があるっていうのは本当みたい。
触られただけなのに、熱が移ったみたいに体がカーッとなる。
「……幼なじみに尻尾振ってたかと思えば、俺があげたリップ、いつの間にか落としてるし」