罪作りな彼は求愛方法を間違えている
千花ちゃんの答えにガクッとなるけど、最初から千花ちゃんの中で答えが出ていたのだろう。
それを決意したくて、僕に相談というか話しかけたのだ。
まぁ、千花ちゃんがいいなら、いいんだけど…あいつが納得するか、どうかはどうでもいい。
それにしても、だいぶ慣れたから言えるけど、このお家の広さはとても快適。
前のお家に不満があったわけじゃないけど、どこにでも隠れる場所があるって素敵だ。
ただ一つ不満がある。
あいつ=その②が、千花ちゃんと僕のお家に毎日のように帰ってくることだ。
ほら、噂をすればあいつが帰ってきた。
「お帰りなさい」
僕を抱いたまま出迎える千花ちゃんに、「ただいま」と言って、僕の千花ちゃんにキスしている。
こいつ、本当はとても嫌な奴なんだ。
僕を邪魔にして、千花ちゃんの腕の中から僕を追い払うように仕向けてくる。
ギュッと抱きつく苦しさに耐えられなくて、逃げ出した瞬間、千花ちゃんと密着してチュッチュッしてる。
あー、ムカツク。
だから、あいつの足を噛んでやるんだ。
「痛っ」
ふん、ザマーミロ。
「そらっ!」
怒っても怖くないよ。
僕には隠れる場所が沢山あるんだから…怒鳴り声に一目散に撤退する。