罪作りな彼は求愛方法を間違えている
言葉足らずな男の愛情表現に困惑してます
私達の関係を尋ねる勇気もなく、傷つきたくないからとモヤモヤする気持ちに蓋をして、彼とのデートを優先させ洋服選びに時間をかける。肩まである髪にもメイクにも手抜きなんてしない。
普段の倍以上の時間をかけて、最終チェックとばかり、スタンドミラーで全体の自分の姿を映し、おかしなところがないか確認。
鏡に映る私は、肩まである毛先をフワリとブローして、トップは黒で腰で切り替えるクリーム色のミモレ丈の花柄ワンピースを着ている。腰に巻いたベルトがリボンのように見え、自分なりに可愛く出来上がった事に満足して微笑んでいた。
後は、彼を待つだけで壁時計を見ると、彼が出て行ってから2時間になる。
ゆっくりとソファに座って待ってばいいのに、なぜか落ち着いて座っていられなくて、手にスマホを握りウロウロとしながら時刻を見ても、なかなか時間は進まない。
5分、10分がとてつもなく長く感じ、ため息を何度も繰り返す。
そんな私を不審がったそらくんが後をついてくる。
しばらくして玄関チャイムが鳴ると、突然私の心臓は急速に速くなり、落ち着こうと胸に手を当て深呼吸をしてみるが、速く鳴るドキドキは静かになってはくれない。