君と半分
カン太郎は考えました。


だけどお腹は鳴り、よだれは止まりません。


人に食べものを分けてやるのは、今のカン太郎にはつらい事です。



『カン太郎、いつか分かる。人を愛して、人に優しくされたら自分もそうしたいと思うようになる』


『…なる…かなぁ?』


『少なくとも、な。
わしとカン太郎は違う。器も違うし、それはそれでいいのじゃが、自分なりに人に優しく、人を愛して生きて行くんじゃ。

そうすれば周りもカン太郎に笑い掛け、優しく愛してくれるだろう』



じぃ様は難しい事を言うから頭が痛くなる。


このままでいい?


だけど、精一杯優しく愛して生きていく。


そうすれば愛してくれる?

『分かったぁ』


とりあえず、おいらはそう返事をした。


まだ食べ物分けてやるほどいい奴にはなれんけんど。

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