転生に失敗した俺!!
「…ってな訳で返すものは返した。じゃあ俺はこんな事をしてる場合じゃないから、じゃあ」

その場から立ち去ろうとしたレイを引き留めるかの様に湖の主シーラ・ヴァイセンが咆哮する。

「まだ生きているのか…タフだな。俺は今非常にイライラしている。くそ勝手な奴に死ぬほど痛い目見せられたあげくのはてにこの様…それ以上俺の気にさわる前に失せなければ…斬る。」

鬼の力を受けてレイの姿は人の形をした鬼と化し、腰には刀。髪は白い長い髪。まさに鬼人。

忠告を無視するかの様に湖の主はレイに襲いかかる。

「どいつもこいつも俺をバカにしやがって…生きてた世界の頃と何も変わらない…」

レイの身体を赤黒いオーラが身体から溢れ出る。
レイは腰の刀を抜く姿勢になり、目が赤く光る。

「さぁ、懺悔の時間だ…」

飛びかかってくる湖の主、レイを丸飲みしようと牙をたて上から降ってくる。

「"鬼々回生"(ききかいせい)」

刀を鞘から抜いた一瞬の出来事にそこにいた全員が目を疑った。
巨大な魔物が真っ二つに切れ、切れ口から赤黒い炎で燃えている。
湖の主の口元にいたはずのレイがいつの間にかおしりの先に真っ赤な血を浴びて立っている。

「あの世で祈りな、ただお前が行くところは地獄だがな…」

レイは力を出し尽くしたかのようにその場に崩れ落ちた。


…………………………………………………………………………………………………………………………
第一章 完

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