転生に失敗した俺！！

森の中を進むシスター達と教祖様と冒険者10名。

「シスターアルバ、アルベルト教、もうすぐです。この先で裸の男性を見ました。」

派手な衣装に大きい金色のロザリオを持った教祖がおもむろに呟く

「うぬぅ…」

シスターアルバがアルベルト教の顔を伺う

「…アルベルト教、どうなさいました？」

「そのシスターアーシャが見たと言う男性…どうも引っ掛かっておる…」

シスターアルバもその事には引っ掛かっていた。

なぜ大楼樹の森に男１人裸でいるのか、そもそもこの森は聖母ルーの力の加護を受けたシスターと限られた教祖様と手練れの冒険者しか入ることは出来ない。

だとすると消去法で考えるのならシスターと教祖はありえない、どこかの手練れの冒険者しか考え付かない。

ただ冒険者が素っ裸でこの森にいるのはおかしい。
大楼樹の森、珍しい薬草や木の実、洞窟にはたくさんの鉱石と言ったお宝が確かにこの森にはある。

だが、故にここの森は狂暴な魔物で道溢れている。
それは、この世界の誰もが知っている事で森に入れるのは限りある人達だと、暗黙のルールがある。

だからこそ気がかりだ。シスターや教祖は聖母神ルーの加護の下、魔物を引き寄せない。
アルベルト教に限っては教祖の中でも五大教祖の１人として魔物を封印出来る唯一の１人だ。

アルベルト教が気になると言った理由はもう一つある。

「ついさっき感じたんじゃ、湖の主、あやつの気が一瞬じゃが感じた。もしかしたら…」

一同みな、驚きを隠せない表情。
シスターアルバがとっさに言う

「そんなまさか、湖の主はアルベルト教達の手によって湖の底に封印されているはずじゃあ、」

「ワシにも分からん。ただ嫌な予感がするのは確かじゃ…」

シスターアーシャが立ち止まる。

「ここで見ました。」

しかし、案の定、レイの姿はもういない。
アルベルト教が自分の長いアゴヒゲを触った。

「嫌な予感が一個的中しよった…みな、戦闘準備じゃ、、」

全員武器を構える。

「湖の方に至急急ぎましょう…」

シスターアルバの声の下みな一斉に走る。

全員が湖についた。
湖に浮かんでいる、葉っぱ一枚の男、その下に黒い影。

大声でシスターアーシャが叫ぶ。

「逃げてーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！」

俺はすぐさま声の方向を見た。

「あ、さっきの…!!おーい！！あなたに返さなきゃ行けないものが…」

次の瞬間俺は巨大な魔物に喰われた。
みんながそれを見て口を開けたまま驚愕する。
アルベルト教が口を開く

「嫌な予感の２個目が当たりおった…」

シスターアーシャが泣き崩れる。

「そんな…私のせいで…」

シスターアルバはアーシャの手を持ち上げた。

「シスターアーシャ！！泣き崩れる時間があるなら今を切り抜きあなたがあの男性の分まで生きることを考えなさい！！それが今出来る最高の弔いです！！」

「…シスターアルバ…でも、私は…」

「来るぞい！！！！！！」

アルベルト教の言葉と同時に湖の主が全員に襲いかかる。

「眠りから覚めよったか、湖の主"シーラ・ヴァイセン"！！」

その姿はキレイな水色の鱗に覆われ、透明な羽衣を纏った竜みたいな大魚である。

「こやつをもう一度封印するしかないが、ワシ１人では無理がある、みな協力せい！」

アルベルト教の言葉にシスターの１人が口を開く

「しかしアルベルト教！あの魔物は湖の中です。この場から１度離れて切り直しをしましょう！五大教祖様をもう一度集めなければ…」

「そりゃ無理じゃの…あやつが目を覚ましたら、逃げ場はない…」

湖の主は空を高く舞っい飛んだ。

「奴は飛べるんじゃ…逃げ場はない…ここで奴を止めなければ、町に甚大な被害が起こる。」

湖が大きな波をつくり襲いかかる。
シスターアルバが前に出る。

「アイスブレイク！！！！」

大波もろとも湖一面を凍りつかせた。
シスターアルバがこの隙を逃すはずがない。

「水を凍らせてしまえばこっちのものです。さぁ冒険者のみなさん今です！シスター達！！」

アルバのよびかけでシスター全員が呪文を唱える。

「「「「「リーフライ」」」」

冒険者達の身体を風が包み空に浮いた。
そのまま空に飛んでいる湖の主に直接攻撃。
完璧な攻撃陣形。

この世界のシスターは強い。魔法が使える種族がシスターと呼ばれる。

冒険者か一斉に持っている武器で攻撃。