孤独であった少女に愛情を
私は首を振るのをやめ、目を見開いた。

「どう言う、意味ですか?」

私は閉じていた口をゆっくりと開きそう言った。

「そのままの意味です。

A家に居場所が無く苦しんでいるのなら、私の所に

来たらいい。」

そんなこと、出来る訳が。
あの人達が許すはずが。

それに先生の迷惑にしかならない。

「そんなこと、できるはずがないです。」

「そうですね。

ただの教師には。

けれど、私ならそれを可能に出来る。」

ただの先生には?


「Aさん。

A家でなく、私の所に来ることを
Aさんが望むならば

私はそれを叶えます。」

そして先生はもう一度私の目をしっかり見て聞く。

「Aさん、Aさんはどうしたいですか?」

どう、したいか。

「そんなの、先生の所がいいに、決まって…。」

私は消え入りそうな声を震わせそう言った。

「わかりました。」

そう言うと先生は、優しく微笑み少し荒めに私の頭を撫でた。

「任せてください。」
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