ワケあって、元彼と住んでます。
昨日言い忘れたキッチンについて教えることにした。



「ポットがこっちで、カップはこっち。
コーヒーはここで、スプーンがここね」

「うん」

「お皿とか調味料とか食材とか、名前書いてないものはあるもの自由に使ってね」

「うん、ありがとう」

「お湯、まだまだ沸かないから座ってていいよ」

「わかった」



瞬ちゃんが素直にソファに戻っていく。
私はそのまま冷蔵庫を開けて朝ごはんの準備をする。

食べないとは言ったものの、目の前で1人分だけ作るのは気が引けた。



「瞬ちゃん、ほんとに朝ご飯食べなくていいの?」

「うん、俺、朝はコーヒーしか飲まないから」

「そうなんだ」



地元にいた頃は、うちの母が作ったご飯を食べていたのを見てたから、なんか変な感じがする。



卵とベーコンを焼いて、トーストにバターを塗っていたらお湯が沸いた。

朝のニュースを見ていた瞬ちゃんがぱっと振り向く。



「今持っていくから座ってていいよ」

「あぁ、ごめん、ありがとう」



作ったコーヒーを手渡してから、急いで朝食を食べる。
仕事柄、忙しくなると昼休憩もままならないから、朝食は少なくてもしっかり食べるようになった。

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