ワケあって、元彼と住んでます。
相馬と別れて、駅から家までの道を歩く。
と言っても本当に数分の距離。
この便利さは、家賃に分かりやすく反映されている。

マンションのオートロックをくぐってエレベーターに乗る。
いつもの動作なのに、家に瞬ちゃんがいるというだけでそわそわする。



「ただいまー」



少し声がかすれた。自分でも驚くほど緊張しているのが分かる 。



「おかえり。お疲れ様」



セーターにデニムという朝と同じ格好の瞬ちゃんが部屋から出てきた。



「荷物、届いた?」

「うん、荷解きも結構進んだ。見る?」



返事をする前に、ドアが開けられた。

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