蒼
prologue
「辛い時は空を見上げて。おまえは世界でひとりぼっちなんかじゃないってこと、忘れんなよ」
ぶっきらぼうな口調だけど、あたしをもう一度、夜の世界から連れ出してくれた人。
彼の顔を見上げると、後ろに虹が架かっていた。
ずっとひとりぼっちだと思っていた。
久しぶりに、人の温もりを感じた。
2人で一緒に、空を見上げた。
空が輝いて見えた。世界が色付いた。
あの時、あたしはもう一度、愛を信じてみようと思ったんだ···。
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