早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
ちらりと社長様のほうを見やれば、加々美さんと話し合いながら作業をしている。今日はまだ帰れなそう。
この会社のトップとしてああいった問題に毅然と対応する彼の姿は、人としてカッコいいと思うし、惚れ惚れしてしまう。昼間のことを思い出して、今さらながら胸がときめいた。
それもつかの間、やや怪訝そうにした冴木さんが、小声でこんなことを言う。
「でもさ、あのあとも鬼頭さんが元気なかったように見えたんだよね」
「あ、それ、私も思いました」
実は、私も同じことを感じていた。ダンジョンの問題は解決したというのに、鬼頭さんはずっと顔を伏せがちで、なんとなく落ち込んでいるように見えたのだ。
感情を読み取りづらい彼女だから、私の気のせいかとも思ったのだが、冴木さんも感じていたならきっと間違いじゃないのだろう。
「気になるよね。今もほら、〝ダサかっこいいサイトデザインのまとめ〟とかいう記事眺めてぼーっとしてるし」
冴木さんが指差すほうへと視線を移す。確かに、頬杖をついた鬼頭さんが、面白そうな記事が映し出されたパソコンをぼんやり眺めているので、つい失笑してしまった。
いつもキビキビしている彼女があんな状態になるなんてどうしたのか、やはり気になる。
この会社のトップとしてああいった問題に毅然と対応する彼の姿は、人としてカッコいいと思うし、惚れ惚れしてしまう。昼間のことを思い出して、今さらながら胸がときめいた。
それもつかの間、やや怪訝そうにした冴木さんが、小声でこんなことを言う。
「でもさ、あのあとも鬼頭さんが元気なかったように見えたんだよね」
「あ、それ、私も思いました」
実は、私も同じことを感じていた。ダンジョンの問題は解決したというのに、鬼頭さんはずっと顔を伏せがちで、なんとなく落ち込んでいるように見えたのだ。
感情を読み取りづらい彼女だから、私の気のせいかとも思ったのだが、冴木さんも感じていたならきっと間違いじゃないのだろう。
「気になるよね。今もほら、〝ダサかっこいいサイトデザインのまとめ〟とかいう記事眺めてぼーっとしてるし」
冴木さんが指差すほうへと視線を移す。確かに、頬杖をついた鬼頭さんが、面白そうな記事が映し出されたパソコンをぼんやり眺めているので、つい失笑してしまった。
いつもキビキビしている彼女があんな状態になるなんてどうしたのか、やはり気になる。