早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「気温より、キョウちゃんに対する社長の熱量のほうがアツいですよ。というか、重い?」
「こら」
社長がむっと仏頂面になって見下ろすも、彼女はあっけらかんと笑い、「さっ、仕事仕事~」と言ってさっさと朝の掃除に取りかかり始めた。
泉さんみたいに、役職は関係なく誰でもフランクにできるのがネージュ・バリエのいいところ。だからこそ、私への彼の態度もギャグだと受け取ってもらえるんだろう。
それはさておき、私も掃除をしなければ。この会社では、全員でオフィスを軽く掃除してから業務開始となるのだ。
私もほうきを取りに向かおうとしたとき、社長がさりげなく身体を屈めて私の耳に顔を近づける。
「髪、可愛いよ。……キョウ」
こっそりと囁かれたひとことにドキッとして振り仰げば、彼はほんの一瞬、プライベート用の甘い笑みをかいま見せた。
……あぁ、ズルい。会社で、家にいるときみたいに呼ぶのは。うまくかわせなくて、皆にバレてしまいそうになるじゃない。
本当は、私があなたの奥さんだって──。
「こら」
社長がむっと仏頂面になって見下ろすも、彼女はあっけらかんと笑い、「さっ、仕事仕事~」と言ってさっさと朝の掃除に取りかかり始めた。
泉さんみたいに、役職は関係なく誰でもフランクにできるのがネージュ・バリエのいいところ。だからこそ、私への彼の態度もギャグだと受け取ってもらえるんだろう。
それはさておき、私も掃除をしなければ。この会社では、全員でオフィスを軽く掃除してから業務開始となるのだ。
私もほうきを取りに向かおうとしたとき、社長がさりげなく身体を屈めて私の耳に顔を近づける。
「髪、可愛いよ。……キョウ」
こっそりと囁かれたひとことにドキッとして振り仰げば、彼はほんの一瞬、プライベート用の甘い笑みをかいま見せた。
……あぁ、ズルい。会社で、家にいるときみたいに呼ぶのは。うまくかわせなくて、皆にバレてしまいそうになるじゃない。
本当は、私があなたの奥さんだって──。