早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「たぶん私、アルコール弱いと思うんですけどね。前、ビールをジンジャーエールと間違えて飲んじゃったことがあって、ほんの少しでへろへろになったので」
「そんなベタな間違いをする人が本当にいたとは」
泉さんは物珍しい生物を見るような顔で呟いた。
あのときも暑くて、お風呂上りで喉が渇いていたから、冷蔵庫に入っていた尚くんのビールを、よく確かめずに飲んでしまったのだ。見たことのない、ビールっぽくないラベルだったから。
すぐにお酒だと気づいたものの、時すでに遅し。次第に頭がふわふわしてきて、いつの間にか寝てしまっていた。
のちに、尚くんが『軟体動物みたいにくにゃくにゃになってて、すげー面白かったぞ』と笑っていたっけ。
記憶はあまりないが、あのふわふわした感覚が気持ちよかったことは覚えている。人様に迷惑をかけない程度になら、また飲みたいと思う。
私の隣に座っている鬼頭さんは淡々とワインを飲んでいるので、生ハムをつまみつつ話を振ってみる。
「鬼頭さんはお酒強いですか?」
「まあ、普通です。日本酒三合くらいは平気で」
「それ十分強いですよ」
泉さんが即効でツッコんだ。鬼頭さんはもしかしたらザルというタイプなのかも。
「そんなベタな間違いをする人が本当にいたとは」
泉さんは物珍しい生物を見るような顔で呟いた。
あのときも暑くて、お風呂上りで喉が渇いていたから、冷蔵庫に入っていた尚くんのビールを、よく確かめずに飲んでしまったのだ。見たことのない、ビールっぽくないラベルだったから。
すぐにお酒だと気づいたものの、時すでに遅し。次第に頭がふわふわしてきて、いつの間にか寝てしまっていた。
のちに、尚くんが『軟体動物みたいにくにゃくにゃになってて、すげー面白かったぞ』と笑っていたっけ。
記憶はあまりないが、あのふわふわした感覚が気持ちよかったことは覚えている。人様に迷惑をかけない程度になら、また飲みたいと思う。
私の隣に座っている鬼頭さんは淡々とワインを飲んでいるので、生ハムをつまみつつ話を振ってみる。
「鬼頭さんはお酒強いですか?」
「まあ、普通です。日本酒三合くらいは平気で」
「それ十分強いですよ」
泉さんが即効でツッコんだ。鬼頭さんはもしかしたらザルというタイプなのかも。