早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
仕事中は問題なく話せているのに、こういう場だと途端に緊張してしまうのだろう。気長に待つことにしよう。
私は冴木さんに笑みを向け、「いいですね。出ましょう」と応えた。
バルコニーには、パラソルと木のテーブルセットが置かれている。周りの建物の明かりが幻想的なこのスペースも、今夜は私たち専用だが、皆冷房が効いている中のほうがいいらしく誰もいない。
「うわ、ぬるい」
「あはは。でも、夜風に当たるのは気持ちいいですね」
冴木さんと話しながら、手すりの辺りにやってきた。テーブルに一旦グラスを置き、ネオンの光で輝く街を歩く人々を見下ろす。
しばし夏の夜の雰囲気に浸っていると、手すりの上で腕組みをする冴木さんがおもむろに口を開く。
「……なんでかな、キョウちゃんといると落ち着く。皆といるの疲れたからひとりになりたかったんだけど、君となら平気だ」
彼のどことなく覇気のない笑みと、意味深な発言が気になり、私は眉をひそめる。
「大人数の集まりは苦手ですか?」
「んー、というか……ずっと笑顔を作ってるのが苦痛なんだよね」
私は冴木さんに笑みを向け、「いいですね。出ましょう」と応えた。
バルコニーには、パラソルと木のテーブルセットが置かれている。周りの建物の明かりが幻想的なこのスペースも、今夜は私たち専用だが、皆冷房が効いている中のほうがいいらしく誰もいない。
「うわ、ぬるい」
「あはは。でも、夜風に当たるのは気持ちいいですね」
冴木さんと話しながら、手すりの辺りにやってきた。テーブルに一旦グラスを置き、ネオンの光で輝く街を歩く人々を見下ろす。
しばし夏の夜の雰囲気に浸っていると、手すりの上で腕組みをする冴木さんがおもむろに口を開く。
「……なんでかな、キョウちゃんといると落ち着く。皆といるの疲れたからひとりになりたかったんだけど、君となら平気だ」
彼のどことなく覇気のない笑みと、意味深な発言が気になり、私は眉をひそめる。
「大人数の集まりは苦手ですか?」
「んー、というか……ずっと笑顔を作ってるのが苦痛なんだよね」