早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「あー、そうですね。すみません、私はお先に」
「え~寂しい」
ほろ酔いの泉さんは、ほんのり赤くなった頬を膨らませた。鬼頭さんは律儀に会釈を返しながら、「お気をつけて」と声をかけてくれる。
それに続いて腰を上げようとするのは冴木さんだ。
「じゃあ、俺が送──」
「いいよ、冴木。それは俺の役目だから」
さらりと断る尚くんに、私も他の皆もキョトンとする。
役目って、尚くんが送ってくれるの? そんな約束はしていないし、社長である彼はまだ会を抜けるわけにはいかないと思っていたのに。というか、ひとりでも平気だ。
おそらく女性へのマナーとして送ろうとしてくれたであろう冴木さんも、戸惑った様子で問いかける。
「社長もお帰りになるんですか? まだまだ楽しんでいかれても……」
「十分楽しんだよ。ありがとう」
尚くんは紳士的な笑みを向けるが、私に付き合わせてしまうのは申し訳ない。送る気満々みたいだから無駄だろうけど、とりあえず遠慮してみる。
「社長、私なら大丈夫です。酔っ払ってるわけでもないし」
「いいから甘えろ。俺は、お前の──」
「え~寂しい」
ほろ酔いの泉さんは、ほんのり赤くなった頬を膨らませた。鬼頭さんは律儀に会釈を返しながら、「お気をつけて」と声をかけてくれる。
それに続いて腰を上げようとするのは冴木さんだ。
「じゃあ、俺が送──」
「いいよ、冴木。それは俺の役目だから」
さらりと断る尚くんに、私も他の皆もキョトンとする。
役目って、尚くんが送ってくれるの? そんな約束はしていないし、社長である彼はまだ会を抜けるわけにはいかないと思っていたのに。というか、ひとりでも平気だ。
おそらく女性へのマナーとして送ろうとしてくれたであろう冴木さんも、戸惑った様子で問いかける。
「社長もお帰りになるんですか? まだまだ楽しんでいかれても……」
「十分楽しんだよ。ありがとう」
尚くんは紳士的な笑みを向けるが、私に付き合わせてしまうのは申し訳ない。送る気満々みたいだから無駄だろうけど、とりあえず遠慮してみる。
「社長、私なら大丈夫です。酔っ払ってるわけでもないし」
「いいから甘えろ。俺は、お前の──」