早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
抱きしめられたまま、彼の言葉に深く共感していた、そのときだ。ガチャリとドアが開く音がして、はっとした次の瞬間。
「ひょあぁっ!!」
おかしな雄叫びが聞こえ、私たちはビクッと肩を跳ねさせて身体を離した。
驚きまくってドアのほうを見やると同時に花火が上がり、壁に背中から張りついている人物の姿が露わになる。
「き、鬼頭さん……!?」
そこにいたのは意外や意外、私服姿の鬼頭さんだ。まるでオバケでも見たかのようにおののいている。
「び、びっくりしました……! 電気もついていないし、誰もいないと思ってたので」
鬼頭さんも私たちを認識したらしく、胸に手を当てて息を吐き出した。
どうして彼女までここに?と考えてすぐ、冴木さんと同じ理由ではないかと思い、尋ねてみる。
「もしかして、鬼頭さんも花火を見に?」
「……そうです。加々美さんから穴場だと聞いて」
「やっぱり」
私と冴木さんは、顔を見合わせて笑った。偶然この三人が集まるなんて、不思議な縁だな。
次第に落ち着きを取り戻していく彼女に、冴木さんが気さくに声をかける。
「鬼頭さんも一緒に見ましょうよ」
「や、でも……」
ためらっている鬼頭さんを見て、私はようやく大事なことを思い出してギクリとした。
「ひょあぁっ!!」
おかしな雄叫びが聞こえ、私たちはビクッと肩を跳ねさせて身体を離した。
驚きまくってドアのほうを見やると同時に花火が上がり、壁に背中から張りついている人物の姿が露わになる。
「き、鬼頭さん……!?」
そこにいたのは意外や意外、私服姿の鬼頭さんだ。まるでオバケでも見たかのようにおののいている。
「び、びっくりしました……! 電気もついていないし、誰もいないと思ってたので」
鬼頭さんも私たちを認識したらしく、胸に手を当てて息を吐き出した。
どうして彼女までここに?と考えてすぐ、冴木さんと同じ理由ではないかと思い、尋ねてみる。
「もしかして、鬼頭さんも花火を見に?」
「……そうです。加々美さんから穴場だと聞いて」
「やっぱり」
私と冴木さんは、顔を見合わせて笑った。偶然この三人が集まるなんて、不思議な縁だな。
次第に落ち着きを取り戻していく彼女に、冴木さんが気さくに声をかける。
「鬼頭さんも一緒に見ましょうよ」
「や、でも……」
ためらっている鬼頭さんを見て、私はようやく大事なことを思い出してギクリとした。