早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「……どこでなにをしていようと、尚くんは尚くんです。私も、そんな彼が好きです。ずっと前から」
震える声が、込み上げる想いが、つい口をついて出た。
未和子さんにはもちろん申し訳なく思っている。けれど、彼に恋愛感情を持つのは私の自由だから。
彼女は私を一瞥し、「そう……」と呟いた。そして、冷たい声をナイフにように鋭く突きつける。
「じゃあ、彼にとってはどうかしら。一度でも〝好きだ〟って言われたことがある?」
核心を突くひとことで、心にズキンと大きな痛みが走った。
なにも言えなくなって口をつぐむ私を、未和子さんは冷たくも真剣な瞳で、逃がすまいと捉えている。
「あなたのために、彼が犠牲にしたものは多いはずよ。仕事も恋愛も、プライベートの時間も。人のいい野々宮さんなら、きっとわかっているでしょう。それでもまだ、あの人に甘えて、縛りつけるの?」
鋭利な言葉が、次々と心に襲いかかって、握った手の力が抜けていく。
彼女の言う通り、私は重々承知している。尚くんがたくさんのことを犠牲にして、私を守ってくれていることを。
それは、もしかしたら彼も私と同じ気持ちだからなんじゃないかと、その真意を確かめたくて一緒にいた。けれど、やはり許されないことだったの……?
震える声が、込み上げる想いが、つい口をついて出た。
未和子さんにはもちろん申し訳なく思っている。けれど、彼に恋愛感情を持つのは私の自由だから。
彼女は私を一瞥し、「そう……」と呟いた。そして、冷たい声をナイフにように鋭く突きつける。
「じゃあ、彼にとってはどうかしら。一度でも〝好きだ〟って言われたことがある?」
核心を突くひとことで、心にズキンと大きな痛みが走った。
なにも言えなくなって口をつぐむ私を、未和子さんは冷たくも真剣な瞳で、逃がすまいと捉えている。
「あなたのために、彼が犠牲にしたものは多いはずよ。仕事も恋愛も、プライベートの時間も。人のいい野々宮さんなら、きっとわかっているでしょう。それでもまだ、あの人に甘えて、縛りつけるの?」
鋭利な言葉が、次々と心に襲いかかって、握った手の力が抜けていく。
彼女の言う通り、私は重々承知している。尚くんがたくさんのことを犠牲にして、私を守ってくれていることを。
それは、もしかしたら彼も私と同じ気持ちだからなんじゃないかと、その真意を確かめたくて一緒にいた。けれど、やはり許されないことだったの……?