早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「──え? なんで……」
一枚の用紙の左上にある、〝婚姻届〟の三文字。
記入欄はすべて埋まっていて、お互いの名前の横に判子も押してある。確かに、一年前に私たちが書いたものだった。
どうしてこれがここにあるの? 私が学校に行っている間に、尚くんが市役所に提出してくれたんじゃ……!?
唖然として婚姻届を見つめていた私は、ある重要なことに、はっと気づいた。
「そういえば、名義変更してない……」
今使おうとしていた保険証も、銀行のカードや通帳も。
二段目の引き出しを開けて保険証を取り出してみれば、当然苗字は〝野々宮〟のまま。
籍を入れたなら苗字を変える手続きをしなければいけないことくらい、私もわかっている。なのに、慌ただしさにかまけてすっかり忘れてしまっていた。
いくら使う頻度が少ないからって、今の今まで気がつかなかった自分にはほとほと呆れる。
ただ、それは婚姻届を出していたらの話。用紙がここに残っているのだから、元々名義を変更する必要もなかったのだ。
本当に籍を入れていたら、尚くんが手続きの仕方を教えてくれていたはず。面倒くさがりだけれど、こういう大事なことはちゃんとやる人だから。
一枚の用紙の左上にある、〝婚姻届〟の三文字。
記入欄はすべて埋まっていて、お互いの名前の横に判子も押してある。確かに、一年前に私たちが書いたものだった。
どうしてこれがここにあるの? 私が学校に行っている間に、尚くんが市役所に提出してくれたんじゃ……!?
唖然として婚姻届を見つめていた私は、ある重要なことに、はっと気づいた。
「そういえば、名義変更してない……」
今使おうとしていた保険証も、銀行のカードや通帳も。
二段目の引き出しを開けて保険証を取り出してみれば、当然苗字は〝野々宮〟のまま。
籍を入れたなら苗字を変える手続きをしなければいけないことくらい、私もわかっている。なのに、慌ただしさにかまけてすっかり忘れてしまっていた。
いくら使う頻度が少ないからって、今の今まで気がつかなかった自分にはほとほと呆れる。
ただ、それは婚姻届を出していたらの話。用紙がここに残っているのだから、元々名義を変更する必要もなかったのだ。
本当に籍を入れていたら、尚くんが手続きの仕方を教えてくれていたはず。面倒くさがりだけれど、こういう大事なことはちゃんとやる人だから。