早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
『まさか……ずっと前から気にかけてた〝キョウ〟っていう子? まだあの子にかまってるの?』
やはり覚えていたんだな。俺たちが付き合っていた頃、未和子の不満の種がそれだったのだから、当然か。
でも、今はもう未和子とは深い関わりはない。あまり多くは語りたくなく、ついでに面倒くさがりも発動して、適当にかわすことにした。
「同じ職場の子だよ。もういいだろ、切るぞ」
『……それって、野々宮さん?』
スマホを耳から離そうとした瞬間、ピンポイントな名前が聞こえてきてドキリとする。
野々宮って、どうして杏華のことを? 思わず話を続けてしまう。
「なんで未和子が知ってるんだよ、あいつのこと」
『昨日の打ち合わせのあと、偶然カフェで会って、少し話したのよ』
マジか、と心の中で呟いた。ふたりが繋がることなんて、まずないだろうと思っていたのに。
一体なんの話をしたっていうんだ。まさか、俺とのことを話したりしていないだろうな。
未和子は理性的に見えて、案外感情に流されやすいタチだから、杏華を困らせていないといいのだが。
やはり覚えていたんだな。俺たちが付き合っていた頃、未和子の不満の種がそれだったのだから、当然か。
でも、今はもう未和子とは深い関わりはない。あまり多くは語りたくなく、ついでに面倒くさがりも発動して、適当にかわすことにした。
「同じ職場の子だよ。もういいだろ、切るぞ」
『……それって、野々宮さん?』
スマホを耳から離そうとした瞬間、ピンポイントな名前が聞こえてきてドキリとする。
野々宮って、どうして杏華のことを? 思わず話を続けてしまう。
「なんで未和子が知ってるんだよ、あいつのこと」
『昨日の打ち合わせのあと、偶然カフェで会って、少し話したのよ』
マジか、と心の中で呟いた。ふたりが繋がることなんて、まずないだろうと思っていたのに。
一体なんの話をしたっていうんだ。まさか、俺とのことを話したりしていないだろうな。
未和子は理性的に見えて、案外感情に流されやすいタチだから、杏華を困らせていないといいのだが。