早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
呑気な私に対し、尚くんは心底安堵したように深く息を吐き出して、ベッドに腰かけた。
「お前はどれだけ俺の寿命を縮める気だよ。……って、俺も人のこと言えないか」
「え?」
「相当ショックだったよな。見たんだろ? 婚姻届」
こちらを見つめ、しっかりとした口調で言われた瞬間、はっとした私は目を見開く。
出されていない婚姻届を見つけてしまったこと、私が電話で離婚を切り出したこと。この瞬間まで脳がそれらを考えることを拒否していたかのごとく、今一気にすべて思い出した。
急激にいたたまれなくなり、ブランケットを勢いよく引っ張って頭まで被る。
離婚を切り出したくせに、それを棚に上げて『ずっと、尚くんのそばにいたい』と口走ってしまうなんて、勝手すぎるでしょ。
しかも、彼が帰ってくるまで寝てたとか、ほんと呆れる……。
穴に入りたい気分で包まっていると、尚くんが「おい、どうした」と怪訝そうに言い、ブランケットに手をかける。
それが取り払われたとき、窓の向こうの景色が見え、ふと疑問が浮かぶ。
外がまだ若干明るいのだ。おそらく七時くらいだろう。帰ってくるのは夜遅くになるはずだったのに、予定が早まったのだろうか。
「お前はどれだけ俺の寿命を縮める気だよ。……って、俺も人のこと言えないか」
「え?」
「相当ショックだったよな。見たんだろ? 婚姻届」
こちらを見つめ、しっかりとした口調で言われた瞬間、はっとした私は目を見開く。
出されていない婚姻届を見つけてしまったこと、私が電話で離婚を切り出したこと。この瞬間まで脳がそれらを考えることを拒否していたかのごとく、今一気にすべて思い出した。
急激にいたたまれなくなり、ブランケットを勢いよく引っ張って頭まで被る。
離婚を切り出したくせに、それを棚に上げて『ずっと、尚くんのそばにいたい』と口走ってしまうなんて、勝手すぎるでしょ。
しかも、彼が帰ってくるまで寝てたとか、ほんと呆れる……。
穴に入りたい気分で包まっていると、尚くんが「おい、どうした」と怪訝そうに言い、ブランケットに手をかける。
それが取り払われたとき、窓の向こうの景色が見え、ふと疑問が浮かぶ。
外がまだ若干明るいのだ。おそらく七時くらいだろう。帰ってくるのは夜遅くになるはずだったのに、予定が早まったのだろうか。