早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
これで終わりなんだ……。こうなることを覚悟していたはずなのに、胸がズキズキと疼いて仕方ない。
涙がこぼれる寸前で、あっという間に尚くんが戻ってきた。ダメだ、泣いたらまた心配させてしまう。
「キョウ」
彼は私の顔を覗き込むように、ベッドの脇に跪く。涙を堪えてぎゅっと目を閉じた、そのとき。
「好きだ。俺と結婚してくれ」
──耳を疑うひとことに、一瞬涙が引っ込んだ。
「……え?」
目を開き、恐る恐る彼のほうへ顔を向ける。真剣な眼差しに射抜かれ、心臓がドキンと跳ねる。
私を好き……って、本当に?
「キョウに好きなヤツができたら、俺は身を引くつもりだった。そうなったとき、お前に離婚歴が残らないように、籍を入れずに事実婚状態にしたんだ」
尚くんはリビングから持ってきた婚姻届を一瞥し、それを出さなかった理由を明かした。
……まさか、尚くんがそんなところまで気遣っていたなんて。まったく思いもしなかった理由に、驚きを隠せない。
「結局、身を引くなんて無理だって思い知らされたけどな。想いを抑えるのは、想像以上に苦しかった。これでキョウを手離したら、一生後悔し続ける」
涙がこぼれる寸前で、あっという間に尚くんが戻ってきた。ダメだ、泣いたらまた心配させてしまう。
「キョウ」
彼は私の顔を覗き込むように、ベッドの脇に跪く。涙を堪えてぎゅっと目を閉じた、そのとき。
「好きだ。俺と結婚してくれ」
──耳を疑うひとことに、一瞬涙が引っ込んだ。
「……え?」
目を開き、恐る恐る彼のほうへ顔を向ける。真剣な眼差しに射抜かれ、心臓がドキンと跳ねる。
私を好き……って、本当に?
「キョウに好きなヤツができたら、俺は身を引くつもりだった。そうなったとき、お前に離婚歴が残らないように、籍を入れずに事実婚状態にしたんだ」
尚くんはリビングから持ってきた婚姻届を一瞥し、それを出さなかった理由を明かした。
……まさか、尚くんがそんなところまで気遣っていたなんて。まったく思いもしなかった理由に、驚きを隠せない。
「結局、身を引くなんて無理だって思い知らされたけどな。想いを抑えるのは、想像以上に苦しかった。これでキョウを手離したら、一生後悔し続ける」