早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
ざっくばらんな尚くんの答えに、四方八方から冷やかしの声が上がった。この人、本当に隠さないんだから。
加々美さんは「捨てられなくてよかったですね」と意地悪っぽく尚くんに囁きながらも、それとは裏腹ないい笑顔を浮かべていた。
盛り上がり始める中、向かい側にいる冴木さんが、呆気に取られた様子で呟く。
「交際ゼロ日婚のカップルって本当にいるんだ……」
「これまでのふたりの夫婦漫才を見ていれば、そうなるのも納得です」
彼の隣で頷く鬼頭さんは、特に驚いたふうではないけれど、かすかに唇に弧を描いていた。
私の恋愛事情を知っていたふたりと、仲良くしてくれている泉さんには、改めてちゃんと話さないと。
まだまだ皆の興奮は冷めないが、尚くんが一旦話をまとめる。
「というわけで、俺の大事な大事な可愛い妻を、今後ともどうぞよろしく」
恥ずかしげもなく言ってのける彼に感服しつつ、私も立ち上がって「よろしくお願いします」と深く頭を下げた。
前方の冴木さんと目が合うと気まずさを覚えるものの、彼は〝負けた〟というような笑みをこぼして拍手をしてくれる。
次々に「おめでとう!」の声が飛び交い、オフィスは温かな祝福ムードに包まれていた。
加々美さんは「捨てられなくてよかったですね」と意地悪っぽく尚くんに囁きながらも、それとは裏腹ないい笑顔を浮かべていた。
盛り上がり始める中、向かい側にいる冴木さんが、呆気に取られた様子で呟く。
「交際ゼロ日婚のカップルって本当にいるんだ……」
「これまでのふたりの夫婦漫才を見ていれば、そうなるのも納得です」
彼の隣で頷く鬼頭さんは、特に驚いたふうではないけれど、かすかに唇に弧を描いていた。
私の恋愛事情を知っていたふたりと、仲良くしてくれている泉さんには、改めてちゃんと話さないと。
まだまだ皆の興奮は冷めないが、尚くんが一旦話をまとめる。
「というわけで、俺の大事な大事な可愛い妻を、今後ともどうぞよろしく」
恥ずかしげもなく言ってのける彼に感服しつつ、私も立ち上がって「よろしくお願いします」と深く頭を下げた。
前方の冴木さんと目が合うと気まずさを覚えるものの、彼は〝負けた〟というような笑みをこぼして拍手をしてくれる。
次々に「おめでとう!」の声が飛び交い、オフィスは温かな祝福ムードに包まれていた。