早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「どうなるかと思ったけど、本当によかったよ。おめでとう!」

「ありがと~」


瑠莉が横から、がばっとハグしてきた。喜びに包まれる私に、彼女は矢継ぎ早に質問をしてくる。


「で? 結婚式はどうするの?」

「んー、まだそこまでは話してないけど……いつかできたらいいな」


私の親戚はいないが、尚くんは家族や、仕事の関係でお披露目しておきたいかもしれないし、欲を言えば私も憧れの式を挙げてみたい。ただ、彼が面倒くさがらなければ、ね。

瑠莉はにこやかに「そのときはぜひ呼んでよ」と言い、彼氏のように私の肩を抱く。そして、なんだか意味ありげに口角を上げて問う。


「ねぇ、久礼さんのお友達に未婚男性いる?」

「多くはないけどいると思うよ」

「よーし。式はなる早で頼むわ」


ものすごい私情を挟んでくる瑠莉お姉様。これは間違いなく出会いを求めているな……。


「……女豹って呼んでいいですか」

「なんだとー」


ぴくりと片眉を上げる彼女に、私はケラケラと笑った。

素敵な男性がいないかをチェックする気満々の瑠莉だけれど、もちろん私を祝福する気持ちが根本にあることはわかっているよ。
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