早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
ふざけ合っているうちに、一見居酒屋のような韓国料理店に着いた。看板や照明がオシャレで、入りやすい雰囲気だ。

ワクワクしながら暖簾をくぐって中に入ると、瑠莉がなにかに気づいてフロアの奥にあるカウンター席を指差す。


「んっ? あれ、NIKKO先生じゃない?」


言われて見てみれば、確かに見覚えのあるグラデーションボブの髪と、肩幅の広い頼もしい背中が目に入った。


「あ、ほんとだ! ……っていうか」


NIKKO先生の隣に座っている女性も、未和子さんと横顔が似ている気が……。いやでも、ふたりが知り合いだなんてことがある?

眉をひそめていると、スタッフがやってきて席へと案内される。その席が偶然にもふたりの真後ろだったので、NIKKO先生の特徴的な声がよく聞こえてきた。


「だからやめとけって言ったじゃないの~。一途な男はそう簡単に目移りしないんだから」

「わーかってたわよ! それでも悪あがきしたかったの」


ああ……やっぱり未和子さんの声だ。しかも、話しているのは尚くんとのことっぽい……。めちゃくちゃ気まずい!
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