早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「この間はごめんなさい。きつく当たって、嫌な思いをさせて」


ストレートに謝られ、一瞬舌に残る辛さも忘れて首を横に振った。


「いえ。未和子さんの気持ちもよくわかるので」


私もショックは受けたけれど、同じくらい申し訳なさもあるからおあいこだ。

未和子さんは頬杖をつき、どこか遠い目をして言う。


「あの人があなたのことを必要以上に気にかけるのは、恋愛感情があるからだって、本当は前から気づいてた。ただ、認めたくなかっただけなのよ。それで彼に縋りついて、あなたに嫉妬するなんて、私のほうが子供みたいね」


嘲笑を浮かべた彼女は、激辛ブルダックを口に放り込んだ。

なんでも完璧にこなすイメージの未和子さんだけれど、うまくいかないことのひとつやふたつはあるだろう。今回のことも、子供みたいだとは思わない。

彼女も「辛～っ」と言い、マッコリをぐびっと飲むと、スッキリとした表情をこちらに向ける。


「今後は邪魔したりしないから安心して。もう興味ないわ、あんなロリコン」

「言いましたね」


これまできっと誰もが言わないようにしていたであろうひとことを、あっさりと口にしましたね。
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