早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「そろそろ時間だ。おいで」
「え?」
ふっと笑みを漏らした尚くんは、予想に反して海が臨めるテラスへと向かっていく。
一体なんの時間なのかと聞こうとした、そのときだ。身体に響く大きな音がして、目の前に大輪の花火が広がった。
まさか今年二度目の花火が見られるとは思わず、口元に手を当てて感嘆の声を上げる。
「わあ……っ、すごい! すごく綺麗!」
遮るもののない、海の上に上がるそれはまさに絶景で、この間とは一際違う感動を覚えた。
しかも、隣にいるのは大好きな人。それだけで、感動は何倍にもなる。
控えめにはしゃぐ私に、尚くんはテラスの手すりに手をかけて言う。
「今日の一番の目的はこれだよ。一緒に見るって約束、どうしても守りたかったから」
それを聞いてはっとした私は、花火から彼に目線を移した。
今日の計画は、あのあとに立てたものだったんだ。日にちがない中で、花火が見られるこんなにいい部屋を取るって、きっとなかなかできない。どれだけ探してくれたんだろう。
面倒くさがりの彼が、些細な約束を守るためにここまでしてくれたのだと思うと、胸がきゅうっとなる。
「え?」
ふっと笑みを漏らした尚くんは、予想に反して海が臨めるテラスへと向かっていく。
一体なんの時間なのかと聞こうとした、そのときだ。身体に響く大きな音がして、目の前に大輪の花火が広がった。
まさか今年二度目の花火が見られるとは思わず、口元に手を当てて感嘆の声を上げる。
「わあ……っ、すごい! すごく綺麗!」
遮るもののない、海の上に上がるそれはまさに絶景で、この間とは一際違う感動を覚えた。
しかも、隣にいるのは大好きな人。それだけで、感動は何倍にもなる。
控えめにはしゃぐ私に、尚くんはテラスの手すりに手をかけて言う。
「今日の一番の目的はこれだよ。一緒に見るって約束、どうしても守りたかったから」
それを聞いてはっとした私は、花火から彼に目線を移した。
今日の計画は、あのあとに立てたものだったんだ。日にちがない中で、花火が見られるこんなにいい部屋を取るって、きっとなかなかできない。どれだけ探してくれたんだろう。
面倒くさがりの彼が、些細な約束を守るためにここまでしてくれたのだと思うと、胸がきゅうっとなる。