早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「……ありがと、尚くん。私のためにたくさん、いろんなことをしてくれて。家族になってくれて、ありがとう」


何度でも感謝を伝えたくなって、飾らない想いを口にした。

尚くんは、下ろした前髪がかかる瞳を細め、愛おしそうに微笑む。そして、今度は正面からしっかりと抱きすくめた。


「こちらこそ、ありがとう。俺に人生を委ねてくれて」


頼もしい彼の背中に、花の指輪が輝く手を回して抱きしめ返す。そのまま、流れるようにキスを交わした。

花火に見守られつつ何度も唇を重ね、次第に息が上がり、頭がぼうっとしてくる。

いつもはこのあたりで終わるのに、今日は終わる気配がない。むしろ、キスは激しさを増す一方だ。

さらに、薄い浴衣の上から胸の膨らみに彼の手が触れ、私は肩を跳ねせて、重なる唇の隙間から「んぅっ」と変な声を漏らした。

人に触られると、こんなに恥ずかしいものなんだ……! 直接触れられたわけじゃないのに、身体がものすごく敏感になったみたいに反応してしまう。

初めての体験に戸惑う私を、尚くんは熱情と優しさを混じらせた笑みを湛えて見つめる。
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