早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
バイトだからと甘えないで、チームの一員として自覚と責任を持って取り組まなければ。そう気を引きしめつつも、今朝の彼を思い出したので話を変える。
「そういえば、今朝なんか機嫌悪そうだったよね?」
率直に聞いてみると、尚くんはピクリと反応して動きが止まった。そして、私を見ないままお決まりのひとことを返す。
「気のせいだろ」
「ううん。だって私のこと睨んでたじゃない」
「睨んでない。お前のことはな」
……ん? それって、矛先は私以外の誰かだったってこと? まさか尚くん、人間関係でなにか問題があるとかじゃ……。
難しい顔で考え込んでいたとき、彼は私のほっぺをむにゅと摘んで、軽く笑う。
「渋い顔すんなよ、本当にたいしたことじゃないから。この話はもうおしまい」
「えー」
「さて、俺はひと仕事する」
口を尖らせて不服さを露わにする私に構わず、彼はスマホをテーブルに置いてノートパソコンを開いた。そして長めの前髪を掻き上げ、黒縁眼鏡をかける。
尚くんはパソコンで作業するときだけ眼鏡をかけるのだが、これがまた似合っていてカッコいいのなんの。
それはさておき、この仕事モードになっては仕方ない。今朝の件を問い質すのは諦めるか。
「そういえば、今朝なんか機嫌悪そうだったよね?」
率直に聞いてみると、尚くんはピクリと反応して動きが止まった。そして、私を見ないままお決まりのひとことを返す。
「気のせいだろ」
「ううん。だって私のこと睨んでたじゃない」
「睨んでない。お前のことはな」
……ん? それって、矛先は私以外の誰かだったってこと? まさか尚くん、人間関係でなにか問題があるとかじゃ……。
難しい顔で考え込んでいたとき、彼は私のほっぺをむにゅと摘んで、軽く笑う。
「渋い顔すんなよ、本当にたいしたことじゃないから。この話はもうおしまい」
「えー」
「さて、俺はひと仕事する」
口を尖らせて不服さを露わにする私に構わず、彼はスマホをテーブルに置いてノートパソコンを開いた。そして長めの前髪を掻き上げ、黒縁眼鏡をかける。
尚くんはパソコンで作業するときだけ眼鏡をかけるのだが、これがまた似合っていてカッコいいのなんの。
それはさておき、この仕事モードになっては仕方ない。今朝の件を問い質すのは諦めるか。