早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
このままぼうっとしていても時間の無駄だし、なにより尚くんから誘われているのに断る選択肢はない。
現金な私はそれだけで気分が浮上してきて、どこに行くかも聞かずについていくことを決めた。
きっとワークショップに参加するとか、彼の趣味の写真を撮りにドライブをするとか、そんなとこだろう。
そう軽く考えていた私が連れられてきたところは、予想を大きく裏切られる場所だった。
冬の花と緑で彩られるガーデン、英国風の美しく豪華な邸宅。その向こうに見えるのは、真っ白な階段が続く、おとぎ話に出てくるお城のようなチャペル。
どう見ても結婚式場だ。私はあんぐりと口を開き、目をしばたたかせる。
「なんで……なにしに来たの? あ、仕事の関係?」
「違うよ、結婚式に決まってるだろ。まあ〝模擬〟だけど」
その言葉を聞いて、ブライダルフェアに連れてきてくれたことをやっと理解した。
驚きで固まる私に、尚くんは優しい笑みを向けて言う。
「せめてものクリスマスプレゼントだ。本物の式は挙げてやれないからな、お前の現状が落ち着かない今は」
現金な私はそれだけで気分が浮上してきて、どこに行くかも聞かずについていくことを決めた。
きっとワークショップに参加するとか、彼の趣味の写真を撮りにドライブをするとか、そんなとこだろう。
そう軽く考えていた私が連れられてきたところは、予想を大きく裏切られる場所だった。
冬の花と緑で彩られるガーデン、英国風の美しく豪華な邸宅。その向こうに見えるのは、真っ白な階段が続く、おとぎ話に出てくるお城のようなチャペル。
どう見ても結婚式場だ。私はあんぐりと口を開き、目をしばたたかせる。
「なんで……なにしに来たの? あ、仕事の関係?」
「違うよ、結婚式に決まってるだろ。まあ〝模擬〟だけど」
その言葉を聞いて、ブライダルフェアに連れてきてくれたことをやっと理解した。
驚きで固まる私に、尚くんは優しい笑みを向けて言う。
「せめてものクリスマスプレゼントだ。本物の式は挙げてやれないからな、お前の現状が落ち着かない今は」