早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
冴木さんが笑顔で話している最中、ランチタイムのBGMが流れ始め、キリよく作業が終わった人が続々と休憩に入っていく。
彼も「じゃあ、またあとで」と爽やかに言い、軽く手を振って去っていった。
そっか、前の会社は相当大変だったんだ。デザイン関係の仕事は残業が多いと聞くし、確かにここでも、尚くんや加々美さんのような売れっ子はかなり忙しい時期がある。
冴木さんも、一晩だけで何パターンもレイアウトを仕上げてきたことからして、有能なのだろうとわかる。
だからこそ、前の会社ではいろいろと任されて首が回らなくなってしまったんじゃないだろうか。
勝手にそんな推測をしながら、テーブルに置いたままにしていたパソコンを閉じる鬼頭さんに話しかけてみる。
「きっと、冴木さんもデキる人なんですよね。仕事が早いですし」
「ええ。それにセンスもある……というか、私と感覚が似ている気がしました」
心なしか普段より柔らかい声で答えた鬼頭さんは、オフィスを出ていく彼の後姿をじっと見つめ、こんなことを言う。
「仕事に関しては言うことはなさそうですが、彼自身にどことなく問題があるように思えます。私には」
彼も「じゃあ、またあとで」と爽やかに言い、軽く手を振って去っていった。
そっか、前の会社は相当大変だったんだ。デザイン関係の仕事は残業が多いと聞くし、確かにここでも、尚くんや加々美さんのような売れっ子はかなり忙しい時期がある。
冴木さんも、一晩だけで何パターンもレイアウトを仕上げてきたことからして、有能なのだろうとわかる。
だからこそ、前の会社ではいろいろと任されて首が回らなくなってしまったんじゃないだろうか。
勝手にそんな推測をしながら、テーブルに置いたままにしていたパソコンを閉じる鬼頭さんに話しかけてみる。
「きっと、冴木さんもデキる人なんですよね。仕事が早いですし」
「ええ。それにセンスもある……というか、私と感覚が似ている気がしました」
心なしか普段より柔らかい声で答えた鬼頭さんは、オフィスを出ていく彼の後姿をじっと見つめ、こんなことを言う。
「仕事に関しては言うことはなさそうですが、彼自身にどことなく問題があるように思えます。私には」