早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「問題?」
意外なその言葉に、私は首をかしげて鬼頭さんの顔を覗き込んだ。彼女はノートパソコンを抱え、眼鏡の奥の瞳で私を一瞥する。
「常に笑顔なのが、少し気味悪いんですよ。私がこんなだから、特に」
無表情を崩さずに言い放った彼女は、軽く頭を下げてロッカーのほうへ向かっていく。私はしばし佇んだまま、彼女の姿を見送っていた。
確かに、冴木さんはいつもニコニコしていて、表情を曇らせたところはいまだに見ていないけれど、それをおかしく思ったことはない。
でも鬼頭さんには、なにか感じる部分があるんだろうか。
「キョウちゃん、お昼行こー」
少々考え込んでいた私は泉さんの声で我に返り、ひとまずお財布を持って外に出ることにした。
ふたりで向かった先は、安くて美味しい、泉さんお気に入りの定食屋。
いつも多くのサラリーマンで賑わっていて、割烹着姿の元気なおばちゃんがオーダーを取っている、超庶民派な店だ。
私たちは午後一時を過ぎてから休憩に入るので、若干ピークは落ち着いている。
お互いに迷わず日替わり定食を頼んだあと、私はさっきから引っかかっている例の件について聞いてみることにした。
意外なその言葉に、私は首をかしげて鬼頭さんの顔を覗き込んだ。彼女はノートパソコンを抱え、眼鏡の奥の瞳で私を一瞥する。
「常に笑顔なのが、少し気味悪いんですよ。私がこんなだから、特に」
無表情を崩さずに言い放った彼女は、軽く頭を下げてロッカーのほうへ向かっていく。私はしばし佇んだまま、彼女の姿を見送っていた。
確かに、冴木さんはいつもニコニコしていて、表情を曇らせたところはいまだに見ていないけれど、それをおかしく思ったことはない。
でも鬼頭さんには、なにか感じる部分があるんだろうか。
「キョウちゃん、お昼行こー」
少々考え込んでいた私は泉さんの声で我に返り、ひとまずお財布を持って外に出ることにした。
ふたりで向かった先は、安くて美味しい、泉さんお気に入りの定食屋。
いつも多くのサラリーマンで賑わっていて、割烹着姿の元気なおばちゃんがオーダーを取っている、超庶民派な店だ。
私たちは午後一時を過ぎてから休憩に入るので、若干ピークは落ち着いている。
お互いに迷わず日替わり定食を頼んだあと、私はさっきから引っかかっている例の件について聞いてみることにした。