早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
「あの、泉さんは冴木さんのこと、どう思いますか？」


突然の質問に、おしぼりで手を拭いていた泉さんはくりくりとした瞳を瞬かせる。


「どうって……ノリが合う同期、だと思ってるけど」


不思議そうにしながら答えてくれたものの、私の聞き方が悪かったようで、求めていたものと若干ズレている。


「ああ、すみません。そういう意味じゃなくて……」

「もしかしてキョウちゃん、冴木くんのこと気になってるの？　私がライバルにならないか心配した？」

「へっ？」


今度は、私をじっと見つめる泉さんから突拍子もない問いかけが飛んできたので、声が裏返ってしまった。

いけない、誤解させちゃったみたいだ。しっかり否定しておかなければ。


「違いますよ！　どう思ってるかっていうのは、彼の人物像についてです」

「人物像？　そんなふうに誤魔化さなくていいのに」

「いやいや、本当に違いますって！」


首をぶんぶんと横に振って否定すると、彼女は目を細めて疑いの眼差しを向けつつも、再度質問に答えてくれる。


「冴木くんの人物像ねぇ。明るいし、からみやすいし、皆に可愛がってもらえそうなアイドルって感じかな」

「やっぱりそうですよね……」
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