早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
愛しさと、先へ進みたい欲求がみるみる溢れて、私の口は自然と動き出す。
「……尚くん、私──」
気持ちが勝手にこぼれ落ちそうになった、そのときだ。
ガチャリとドアが開く音がして、ビクッと肩が跳ねる。尚くんも手を離し、ふたりしてドアのほうを振り向けば、ナチュラルショートの髪に美しい顔立ちの男性が立っている。
謎多き人気デザイナーAkaruこと、加々美さんだ。まだ誰か来るとは……!
「あ、お疲れ様で……す」
挨拶をしようとした彼は、どうやら私と社長様がただならぬ雰囲気であることを悟ったらしい。数秒固まったあと、ドアを閉めようとする。
「お邪魔しました」
「帰るな帰るな」
普通においとましようとする加々美さんを、尚くんがすかさず引き止めた。彼は焦った様子もなく平然としているけれど、私はとっても恥ずかしい。
だって、人生初の告白をしようとしたよね、私……!
今になって心臓がバクバクしている。ほぼ無意識に想いが声となって出てきそうだった。寸止めされてよかったのか、どうなのか。
というか、今しがたの私たちの雰囲気は、加々美さんにおかしいと思われているんじゃないだろうか。尚くんの〝野々宮マニア〟の意味を彼も重々承知しているとはいえ、さすがに……。
「……尚くん、私──」
気持ちが勝手にこぼれ落ちそうになった、そのときだ。
ガチャリとドアが開く音がして、ビクッと肩が跳ねる。尚くんも手を離し、ふたりしてドアのほうを振り向けば、ナチュラルショートの髪に美しい顔立ちの男性が立っている。
謎多き人気デザイナーAkaruこと、加々美さんだ。まだ誰か来るとは……!
「あ、お疲れ様で……す」
挨拶をしようとした彼は、どうやら私と社長様がただならぬ雰囲気であることを悟ったらしい。数秒固まったあと、ドアを閉めようとする。
「お邪魔しました」
「帰るな帰るな」
普通においとましようとする加々美さんを、尚くんがすかさず引き止めた。彼は焦った様子もなく平然としているけれど、私はとっても恥ずかしい。
だって、人生初の告白をしようとしたよね、私……!
今になって心臓がバクバクしている。ほぼ無意識に想いが声となって出てきそうだった。寸止めされてよかったのか、どうなのか。
というか、今しがたの私たちの雰囲気は、加々美さんにおかしいと思われているんじゃないだろうか。尚くんの〝野々宮マニア〟の意味を彼も重々承知しているとはいえ、さすがに……。