早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
ああ……もしかして、さっき私が悩んでいたことを見抜いて、私の代わりに先生に相談してくれたの?
これまた、なんていい親友なんだ。『引くぐらい』とか、『変なふたり』はちょっと引っかかるけど。
恋愛経験に乏しい私は男性の心理については謎だらけだし、尚くんの気持ちを探るヒントが欲しいので、ドキドキしながら先生の反応を窺う。
彼女はふむふむと頷き、顎に手を当ててこう答える。
「そうねぇ、相手を大事にしすぎて一歩を踏み出せない人もいるわよ」
「ですよね~」
瑠莉は嬉しそうに相づちを打ち、チラリとこちらに目線を向けた。〝ほら、心配いらないって〟という声が聞こえてきそうなくらい、ニンマリしている。
私もいくらかホッとしたのもつかの間、先生は表情を引きしめたまま「でも」と続ける。
「同居っていつでも手に入る距離にいるわけだから、ヘタすると我慢してるうちになにもしなくても平気になっちゃうかもしれないのよね。ほら、近くにある名所ほど行かなかったりするでしょう」
「あー、確かに!」
目を丸くして深く納得する瑠莉に対し、私の心はギクリと強張った。
近くにある名所ほど行かない……ごもっともだ。いつでも行けると思うと、不思議と足が向かなくなるもの。まさか、尚くんにとって私も同じ!?
これまた、なんていい親友なんだ。『引くぐらい』とか、『変なふたり』はちょっと引っかかるけど。
恋愛経験に乏しい私は男性の心理については謎だらけだし、尚くんの気持ちを探るヒントが欲しいので、ドキドキしながら先生の反応を窺う。
彼女はふむふむと頷き、顎に手を当ててこう答える。
「そうねぇ、相手を大事にしすぎて一歩を踏み出せない人もいるわよ」
「ですよね~」
瑠莉は嬉しそうに相づちを打ち、チラリとこちらに目線を向けた。〝ほら、心配いらないって〟という声が聞こえてきそうなくらい、ニンマリしている。
私もいくらかホッとしたのもつかの間、先生は表情を引きしめたまま「でも」と続ける。
「同居っていつでも手に入る距離にいるわけだから、ヘタすると我慢してるうちになにもしなくても平気になっちゃうかもしれないのよね。ほら、近くにある名所ほど行かなかったりするでしょう」
「あー、確かに!」
目を丸くして深く納得する瑠莉に対し、私の心はギクリと強張った。
近くにある名所ほど行かない……ごもっともだ。いつでも行けると思うと、不思議と足が向かなくなるもの。まさか、尚くんにとって私も同じ!?