早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜

きっと、この状態を長く続けることのほうが難しい。私が気持ちを抑えられなくなるのも時間の問題だから。

私の決意を聞いた瑠莉は、驚きの表情を徐々に緩め、穏やかに「そっか」と呟いた。

ただし、人生初の告白だ。この間のような勢いだったり、なにかきっかけがないと簡単にはできそうにない。


「タイミング逃しちゃったから、なにかのイベント事とかに便乗しないとできなそうだけどね……」

「いいんじゃない？　心の準備も必要だろうし」


瑠莉はおおらかな言葉をくれたあと、頼もしい笑みを浮かべて私をまっすぐ見つめる。


「ずっと家族みたいだった人との関係を変えるわけだから、勇気いるよね。でも、私はきっとうまくいくと思ってるよ。無責任だけど」


こちらの気持ちを汲み取って、応援してくれる彼女にジーンとしつつ、最後のひとことに笑ってしまった。

もしも悪い結果になったとしても、瑠莉に目一杯慰めてもらえばいいか。なんて、いい意味で気楽に考えられる。

いい親友を持って幸せだな、と改めて感じ、笑顔で「ありがと」と返した。